The Butler/大統領の執事の涙
歴史・政治
ヒューマンドラマ
2013/8/16 アメリカ公開
2014/2/15 日本公開
上映時間 132分
製作費 $30,000,000
興行収入 $130,285,320
オススメ度 ★★★★★★ 最高8つ星
大統領の執事の涙を鑑賞
奴隷の息子に生まれたセシルは、家族と共に綿花畑で辛い毎日を過ごしていた
ある日、心の支えともなっていた最愛の父が畑の主人に撃ち殺されてしまう
父を亡くしたセシルを不憫に思った主人の家族は、セシルをHouse Negger (家庭内の労働をさせる黒人) にする(家庭内での仕事は外と比べ、楽な仕事であった)
月日が経ち、成長したセシルはこのまま働き続けても時期に白人に理不尽に殺されるだろうと考え、綿花畑から逃げ、外の世界に出ることを決意する
綿花畑から出たことのなかった彼にとって、外の世界は不安なものだったが、奴隷時代の給仕係として学んだスキルが幸いし、ホテルのバーテンダーとして働き出すことに成功する
バーテンダーとして無心に働く彼の熱心な仕事ぶりは上司にも評価され、やがて一流ホテルのホテルマンとして働くまでに成長する
人種差別は残っていながらも、自分の家を持ち、家族を持つまでになったセシルは、奴隷時代からは想像もつかない幸せな生活を手にしていた
そんなある日、突然ホワイトハウスに使用人として雇いたいという話しが舞い込んでくる
偶然にもセシルのサービスを受けたホテルの客がホワイトハウスの職員で彼から推薦を受けたというのだ
ホワイトハウスでの仕事は恐れ多いと最初は乗り気ではなかったものの、彼のバーテンダーとしての知識、ホテルマンとしての知識は適材ということもあり、彼はホワイトハウス並びに大統領の使用人として働くことになるのだった
非白人として初めてハリー・ベリーがアカデミー主演女優賞を獲得した「チョコレート」、子供への虐待を取り上げた作品「プレシャス」などを手掛けた監督リー・ダニエルズが実際に34年間ホワイトハウスに勤めた使用人ユージン・アレンの話に着想を得て製作した作品となっています
ユージン・アレン本人
基本的に白人の下で働き、勤勉さを見せつけ、黒人に対する理不尽で差別的なステレオタイプを払拭しようするセシル
白人に仕えることを恥とし、人種差別撤廃活動に身を投じて行く長男ルイスとの確執を描いています
観た印象は歴史、政治色がかなり強く、明るく楽しい話じゃないのですが、そこまで重苦しい内容ではありませんでした
黒人差別を取り上げ、劇中の黒人に対する理不尽な差別は観ていて歯がゆくなる箇所もありましたが、彼らの努力が差別の流れを良い方向に向けている様子が鑑賞者にうまく伝わっているからかもしれません...
劇中の時代の流れ、映画の構成など意外にトム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ」に近い作りになっていると感じ、それが好きならこの映画も気に入るかもしれません
歴史は知らずともブラック・パンサーは知っている…
おもしろいと思った人はどこが面白かったかがけっこう別れる映画のような気がします
僕は個人的に少しずつキャリアアップしていくセシルに惹かれました
彼の仕事っぷりは観ていてカッコいい!!気に入られる理由が分かります
もっと使用人としての姿を観たかった... 意外と時間的に少ないんじゃないかな?セシルが働く場面は...
劇中セシルが言われる言葉に「黒人は白人に見せる顔とプライベートの顔を使い分けろ」というものがあります
セシルは確かに使い分けますが、それを観てて、なんとな〜くですが「プラダを着た悪魔」のアン・アンハサウェイ(役名忘れた)を思い出しました
彼女も使い分けてましたね
冒頭にセシルの母として出演する歌手のマライア・キャリー、セシルの妻として彼を支えるグロリア役にアメリカの人気司会者であり、世界で最も影響力のある女性ことオプラ・ウィンフリーなど普段スクリーンでは目にすることが少ない方々が出ていることも特徴
2人は監督の前作に出演したり、PR活動に関わったりしていますね
面白い作品でしたが、邦題の「大統領の執事の涙」について気になることが…
原題は「The butler」であり、原題に”涙”をくっ付けていますが、この"涙"は付ける必要があったのか?が少し疑問…
確かに最後泣きますが、泣く理由が非常にベタで、含みを持たせる必要は全くないように感じました
ラストは観ていた僕も目頭が熱くなりましたが、タイトルに付けるほどのことではなく、人によっては"涙"をよけいに汲み取ってしまうかもしれません
まぁ個人的な意見ですが、邦題はマイナス点になるやつばっかですけどね…
物語の主軸がイマイチ分かりづらいこの作品
主軸のセシルとルイスの確執、彼らの理論は結局どちらが正しいのか?の具体的な答えはそもそも存在していないので、映画的には少々アクが強いかもしれません
歴史系の映画は構成的にどうしても偏ったり、内容が薄くなる作品が作られてしまうことが多く、この作品もその例に漏れず少々詰め込んでる感はあります
この映画を実際の歴史として鵜呑みにすることはオススメしませんが、単純な面白さではオススメ出来る作品だと思います
※管理人が独断と偏見で書いたものです。作品内容、本質が著しく違う恐れがありますがご了承くださいm(_ _)m