クレヨンしんちゃん 逆襲のロボとーちゃん


   クレヨンしんちゃん 逆襲のロボとーちゃん




日本
アニメ コメディ
2014/4/19 公開
上映時間 97分
オススメ度 ★★★   最高8つ星



「面白いけどあと一歩」



少しネタバレ
ロボとーちゃんを鑑賞

 ぎっくり腰の治療のためと、行き当たりばったりで見つけた怪しい整体エステにかかったヒロシは治療が終わるとなんとロボットに改造されてしまった
怪しがるみさえにとーちゃんがロボになったと喜ぶしんのすけ
元に戻ろうと先ほどのエステに向かうも、エステはおろか建物自体が消えてしまっていた

 元に戻ることもできず、途方に暮れてしまうが、様々な機能を持つロボットの体は意外と便利だと知ったヒロシは見た目は変わっても、ロボとーちゃんとして前向きに生きていこうと決心する
ロボットになったヒロシは疲れることを知らないため、億劫で頼まれても絶対にしなかった家事、日曜大工、家族サービスを積極的に行うようになった
このこともあり、生身の頃よりもかえって家族仲はよくなり、変装してなんとか日常生活も送れるようになったため、ロボットも悪くないと思うようになるのだが…

 仮面ライダーフォーゼ、グレンラガン、キルラキルなど、特徴的かつ熱い脚本を作ることで有名な中島かずきが脚本を務めています
なぜしんちゃんに中島かずきなのか?と思いますが、中島さんはしんちゃんの出版社である双葉社に勤めながら、脚本家をしていたため、原作者の臼井儀人の編集担当をしていた経験があるんですね

 キルラキルとか面白かったので本作も期待していたのですが…
個人的には微妙でした…
そこそこ面白かったのですが、しんちゃん好き、映画好きとしては、あと一歩足りないと感じる内容でした

 良かった点は
・しんちゃん独特の笑い
 この歳になってもくすりと笑えるギャグは健在 でした

・ロボとーちゃんの正体、ロボとーちゃんの最期
 TV予告でも少し出ているので分かると思いますが、本物のとーちゃんは別にいます
ロボとーちゃんは一体誰なのか?
そして、ロボとーちゃんがラストにしんのすけにかける言葉… 鑑賞者を泣かせにきます…

・ゲスト声優の出来
 芸人コロッケと女優武井咲がゲスト声優として出演しています
コロッケは問題ないと思っていましたが、武井咲は事故るんだろうなぁ…と芸能人声優が大嫌いな僕は勘ぐっていたのですが、意外に違和感なく演じていました
武井さんが出演してるCMはセリフが棒読みだった記憶があるのでこれには意外でした

僕が良かったと思う点はこんなところですかね

 逆に悪かった点は
・ロボとーちゃんの存在の掘り下げ
・ラストバトルの残念感

 ロボとーちゃんの存在の掘り下げというのは、前述のとおりロボとーちゃんとは別に本物のとーちゃんがいるのですが、2人は劇中「俺が本物のヒロシだ!」と言い争います
しかし、みさえは生身のとーちゃんが無事だと知った瞬間、ロボには目もくれなくなります
それでもロボとーちゃんは自分を本物のヒロシだと信じています
劇中序盤はロボとーちゃんを本物のヒロシとして扱い家族で楽しそうにしていたのに、生身のとーちゃんがいたと分かったら偽物扱い…

 この設定、僕はすごく面白く、素晴らしいと思うんです
SF系が好きというのもあるのですが、これをしんちゃんでやるのかと感心しました
”自分が本物だと思っていたら、実は本物じゃなかった”
使い古されたありきたりな設定だと思いますが、僕は大好きです

 しかし、劇中のロボとーちゃんは大きなきっかけがないまま、生身のとーちゃんに父親役を返してしまいます
もっとロボとーちゃんの葛藤を描いて欲しかったです
この設定は子供には少々難しいと思うので、どうしてもあのような形になってしまうのかもしれませんが…
本作は大人から子供まで幅広く楽しめる作品にはなってるのですが、意外と重い設定をあまり説明しないため、結果あと一歩足りない出来になってしまっているなと感じました
それでも、十分面白いですが…

 最後にラストバトルについて…  これはひどいなあ…って感じです
映画のラストは巨大ロボットバトルですが、敵の巨大ロボットを観て愕然としました
そもそもなぜ芸人コロッケを起用しているのか?がここでやっと分かるわけですね…
映画内の芸能人コラボは昔からありますが(ジャングルでの小林幸子とか...)
ここまでがっつりかかわってきたのは初めてではないでしょうか?
 まあ、原作マンガのクレヨンしんちゃんは実際にいる芸能人がむちゃくちゃ出てくるので、原作の担当者だった中島かずきの脚本らしいっちゃらしいと思いますが...
クレしんにかぎってはアニメと原作はほとんど別作品ですからね...

 「大人が子供向け作品を楽しめることは多少あるが、子供が大人向けの作品を楽しめることはまずない」とよく言われます
幼稚園児から高校生くらいまでが楽しめる作品を作れば、それは大人も楽しめるというわけですね
ディズニーなどがいい例ですね

 本作は宣伝文句のとおり、ヒロシに焦点を当てており、少し難しく、深い設定がありながら、そこをあまり活かしておらず、あれだったらもっと子供向けに作ればいいのに… そんな印象を持ちました
僕がしんちゃんのコアなファンかは知りませんが(公開当日に朝一で観たが…)
僕的には”面白いがあと一歩”
そう感じました




※管理人が独断と偏見で書いたものです。作品内容、本質が著しく違う恐れがありますがご了承くださいm(_ _)m







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