映画 クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望  [DVD]

    

クレヨンしんちゃん
雲黒斎の野望

日本
コメディ アニメ
1995/4/15公開
上映時間 94分
興行収入 14.2億円
ストーリー ★★★★★★
笑い    ★★★
感動    ★★
観やすさ  ★★
オススメ度 ★★★★★
最高8つ星


あらすじ

 ある日の朝しんのすけがシロに朝ごはんをあげに行くと、シロが突然喋り出した。
困惑する野原一家だったが、話を聞くとリング・スノーストームという人物がシロの体を借りて喋っているというのだ。時間警察のリングは戦国時代に仕事で向かっていたが事情により20世紀に来てしまったのだ。一人で動くことが出来ないリングは野原家に一緒に戦国時代へ行って問題を解決してほしいと頼むのだった。

感想

  クレヨンしんちゃんの3作目の劇場作品です。
タイムトラベル&戦国チャンバラをテーマとしており、SF要素もありますが、戦国時代に行って問題を解決することがメインテーマとなっています。

クレしんらしいコミカルタッチな映画ではなく、ストーリーを楽しむ作りになっており、映画の作り込みが非常に深くなっています。 アニメ作品、ましてやクレヨンしんちゃんでここまで作り込む必要があるのか?と思わせるほどのこだわりを見せており、中でも映画メインキャラ吹雪丸の剣劇シーンは間合いや挙動を細かく描き、良い意味で違和感あるシーンになっています。 この日常系アニメのクレしんが劇場版になると雰囲気が少し変わるのは3作目の本作から顕著になっていると思います。

本来、子供用アニメで人を殺したりする描写はタブー視されるため、極力描かれることがありませんが、本作では人が死ぬ描写が明確に描かれています。 中でも、吹雪丸と巨漢のサムライ、フリードキン・珠死朗との一戦では、珠史郎のパワーに吹雪丸が圧倒され絶体絶命に陥る場面で、しんのすけが後ろから敵の残した重火器をいじって発射させ、珠史郎を倒してしまうというシーンがあります。これは故意ではなかったとしても子供が大人を殺した関係図が出来上がっており、非常にグレーゾーンな描写だと思います。 当時の表現規制が比較的緩かったこともあるかもしれませんが、冒険的な作品だったのではないでしょうか。

前作と比べて作りこみが深くなり、本作から大人が見ても面白い映画という印象が強くなっていると感じます。 映画終盤は巨大ロボが登場し、いきなりぶっ飛んだことになりますが、全体通して面白い作品だと思います。

ちなみに明言されていませんがリングは吹雪丸の子孫と言われており、これは二人の名前や終盤の1シーンで確認できます。